長年付き添ったパートナーとの熟年離婚が近年、増加しております。熟年離婚なんて考えてない人は、老後になって「今さら、なぜ!?」と焦り、熟年離婚したい人は「ようやく」と安堵します。
幸せでなかったとしても、それなりに人生を一緒に歩んできたと思っていたのに・・・。そんな想定外の人生の最後を迎えないために、熟年離婚の原因と対策を紹介します。
熟年離婚のシグナル
熟年離婚を決意した人の動向は今までと違う言動が見られます。
例えば、今まではすぐにケンカになっていたのが、全く反論しない。何事も許してくれる。逆に、今までは黙って従っていたパートナーが何を言っても反論するようになる。
他に、家事をしなくなる、率先して家事をする。会話が減る、会話が増える。外出が増える、部屋に引きこもる。資格勉強を始めるなど。
良いと思われる事でも、何十年繰り返した生活スタイルが変わるのは熟年離婚のシグナルの可能性があります。疑っても仕方ないので正直に聞いてみましょう。まだ間に合うかもしれません。
熟年離婚の原因と対策
熟年離婚の原因は人それぞれです。他人からしてみればちょっとした事でも、当人は凄いストレスを感じていたりします。
また、人によっては嬉しい事も人によっては苦痛だったりします。相手のことを思いやり、恥ずかしがらずに話し合わないとパートナーの気持ちは分かりません。黙っていても相手の事が分かっているというのは大きな勘違いです。
何もしない
定年退職後は急激に一緒にいる時間が長くなります。何もせずに家でゴロゴロして過ごすのは邪魔もの扱いされるだけです。これは夫が対象と思われがちですが、最近は妻が対象の場合もあります。夫が家事を頑張っているのに、妻は一日中テレビばかり。
ここで大切なのは”手伝う”とことです。「自分がやるからいいよ」じゃなく、「手伝うよ」と声をかけます。「おまえがやれよ」じゃなく、「手伝って」と声をかけます。無駄に一緒にいるだけじゃなく、同じ時間で同じ事を一緒にする事が重要になってきます。
性格が嫌い
細かすぎる、喋り過ぎる、大雑把過ぎるなど相手に求める理想像とは真逆の結婚生活は苦しいものです。長年我慢してきたものが蓄積されているので、根深いものがあります。自分の性格を変えるのも簡単ではありませんし、逆に自分が大きなストレスを受けることになります。
これはもう生理的な問題になっているので根本的解決は無理です。できるだけパートナーと離れる時間を確保しましょう。上の”何もしない”対策のように一緒に手伝うのは逆効果になるので、注意して下さい。
就寝時の癖
いびき・歯ぎしり・寝言などの就寝時の癖は自分が気づかないまま相手に不快感を与え続けてしまいます。不快に感じているなら言ってくるものと考えますが、我慢し続けているパートナーだっています。自分の就寝時の癖に気づかないまま人生を終える人だっています。ある意味羨ましいことではありますが、今一度、パートナーに自分の就寝時の様子を聞いてみましょう。年を重ねると変化している場合もありますから。
解決策は別室で就寝するだけなので簡単です。老後は一緒にいる時間が多いので、就寝時ぐらいは別々の部屋で開放されるぐらいが丁度よい距離感になります。「朝起きたら、冷たくなってた」というリスクもあるので話し合って決めましょう。
介護が嫌
痴呆症を筆頭に老後における介護は大きな問題です。特にパートナーの親の介護はしなくないと考えている人は多いです。最悪の場合、”自分の親&パートナーの親&パートナーの介護”なんて状況も発生します。
介護が必要になったら老人ホーム、デイサービスなどの介護サービスは絶対に必要になります。精神論だけで乗り切れるほど介護は簡単なものではありません。自分だけ、夫婦だけで悩まずに兄弟、親戚を巻き込んでみんなで介護する意識づくりが大切です。元気なうちに将来のこと、介護が必要になった時のことを話し合っておく事も大切です。
会話がない
会社員時代は必要最低限の会話のみで、老後になって何を話したらいいのか分からない夫婦がいます。話が発生しない状況にストレスを感じ、一緒に居る事自体が嫌だと思い込んでしまいます。
まず、どんなに仲の良い人でもずっと一緒にいたら話題はなくなります。仲の良い友人と話が盛り上がるのは”会わない時間”があるからです。”会わない時間”が話題のきっかけを作り、マンネリ化しない関係を築いているのです。
会話を求めるのであれば、一人で旅行するなど別々の時間を作りましょう。でも、本来は会話がなくても一緒に居られる事が夫婦ではないでしょうか。
精神的、肉体的暴力
いわゆるDV(ドメスティックバイオレンス)、モラハラ(モラルハラスメント)と言われるものです。自分が行っていた側なら自業自得なので諦めましょう。本当に悪かったと思うなら、経済的援助だけして葬式の日まで二度と会わないことが相手の幸せです。
されていた側だけど、離婚したくない人は相手の状況を見極める事が大切です。老後になって穏やかになる人は結構いますが、何がキッカケ(特に痴呆症)で再び暴力を受けるか分かりません。老人ホームなど他人の目が監視できる環境での生活をおすすめします。
借金
生活するための借金、ギャンブルなどによる借金ではイメージ的な違いがありますが、老後の借金は生活レベルに直結する悩みです。老後は収入が減少する可能性が高く、働いていても病気やケガなどによる長期休業の可能性も高くなります。
自分に原因があり借金が残っているなら、自己破産も検討した老後計画を話し合う必要があります。節約などの生活スタイルの見直しも必要です。相手に借金の原因があっても離婚したくないなら、相手の状況を見て判断しましょう。
異性関係
いつくになっても恋は突然やってきます。勝手に恋心を抱くのはいいんですが、生活資金に影響を与えたり、パートナーをほったらかしにするような異性関係は問題です。
熟年離婚はしなくないけど恋心をもってしまったなら、誰にも打ち明けず小学生のような淡い恋にしておきましょう。パートナーが浮気に走ってしまったなら、しっかり話し合ったうえで決着をつけるのか、しばらく放任するしかありません。証拠だけはしっかりと残しておきましょう。
熟年離婚したくないならやっておくべき事
熟年離婚をしたくないなら共通してやっておくべき事があります。これは上に挙げたような特定の原因に関わらず、円滑な老後夫婦生活を過ごすためのポイントになります。
- 自分の意志をちゃんと伝えておく
- 「ありがとう」を伝える
人生の最後まであなたと一緒にいたい事をしっかりと伝えておきましょう。年を重ねると恥ずかしい気持ちもありますが、言葉にしないと伝わりません。手紙で伝えるのもありです。
また、日々の生活の中で「ありがとう」は口癖にしましょう。感謝の言葉も発しないと相手に伝わりません。「ありがとう」は自分がおもっている以上に、言われてうれしい素敵な言葉です。
パートナーだけでなく、みんなに感謝しよう。「ありがとう」って言っているだけで自分も幸せな気持ちになれます。