国民年金で40年間保険料を支払ってもらえる満額の年金は月額約6万5千円です。平成29年度の平均は月額約5万5千円です。国民年金だけでは生活していく事はできないので老後も働くか、家族に援助してもらうしかありません。

しかし、厚生年金と同等な年金がもらえるように上乗せする方法があります。国で制定されている制度ですが実際に活用している人は少数です。知っていると老後ライフが楽になりますよ。

kokuminnenkin-uwanose

支払保険料を上乗せする方法

平成31年度の支払い保険料は月額16,410円です。これに上乗せして保険料を納めることによって老後に受給される年金を増やす事ができます。以下の3つの制度があります。

  • 国民年金基金
  • 付加年金
  • 個人型確定拠出年金(iDeCo)

国民年金基金とは

国民年金が厚生年金のように生活水準の年金として活用できるように設立された制度です。47都道府県に設立された「地域型基金」と25の職種別に設立された「職能型基金」の2種類があります。

自分の経済状況に合わせた保険料の設定が可能で、最大で掛金月額6万8,000円までとなります。加入後のプラン変更は可能ですが、途中解約はできません。

個人型確定拠出年金にも加入している場合は、その掛金と合わせて6万8,000円以内。また、付加年金と国民年金基金の両方に加入する事はできません。

掛金は全額が所得控除対象になるので、個人事業の節税対策としても効果的。

しかし、契約した時点で老後にもらえる年金が決まる「確定給付」なので将来インフレに弱い特徴があります。また、運用資金の不足なども問題視されています。

付加年金とは

最もお手軽で分かりやすい年金増額方法です。毎月400円の支払い保険料を上乗せで支払うと「200円 x 付加保険料を支払った月数」が毎年受給できます。終身まで支給されます。

付加年金は「老齢基礎年金の上乗せ年金」なので受給開始は年金受取り開始と同時になります。

40年間(480月)付加年金保険料を支払った場合、「200円 x 480月 = 96,000円」が年間で上乗せ支給されます。支払保険料の総額は「400円 x 480月 = 192,000円」なので「192,000円 / 96,000円 = 2年」で2年受給すれば支払保険料の元が取れます。

しかし、月額にすると毎月8,000円の上乗せ受給なので心細いところです。10年間支払いだと月額4,000円です。また、付加年金も確定給付なので将来インフレに弱いデメリットもあります。

とはいえ、国民年金基金を支払うほど余裕がなかったり、一応上乗せしておきたい人にはおすすめの制度です。毎月8,000円、4000円でも、有ると無いとじゃ結構違いますよ。

個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」とは?

こちらは国民年金受給額そのものを増やす方法ではないのですが、国民年金基金、付加年金と関わるので紹介します。

個人型確定拠出年金「iDeCo(イデコ)」とは銀行、証券会社などで運用商品(定期貯金、保険商品、投資信託)を自分で選択して掛け金で運用します。その運用益、掛け金を老後資金とする制度です。

会社員などの第2被保険者でも加入することができます。(上限掛け金は異なります)自営業者などの第一被保険の上限掛け金は6万8千円ですが、国民年金基金もしくは付加年金との合算になります。

掛け金は全額が所得控除の対象になります。また、通常の投資では運用益に20.315%の課税がされますが、iDeCoでは非課税となるのが大きなメリットです。

60歳になるまでは受給することはできませんが、公的年金の受給開始までの無収入期間の生活費として活用することもできます。

ポイント

老後資金を増やすためには最低限でも付加年金に加入。余裕があれば国民年金基金と個人型確定拠出年金(iDeCo)を検討しましょう。