ガスを使って発電し、その時の排熱を使ってお湯を作るエネファーム。どのような仕組みで電気を作り出し、お湯を作っているのかを実際に設置する機器とあわせて説明します。

エネファームの製造メーカー

エネファームの製造会社は撤退が続き、2018年現在日本国内で製造しているのはパナソニックとアイシンだけです。

エネファームの仕組み

都市ガス、LPガスを原料として水素を取り出します。取り出した水素と酸素から電気を作り出します。そして発電の際に発生した熱を使ってお湯を作り出しています。

enefarm.png01出典:Panasonic

設置する機器

エネファームでは発電するための燃料電池ユニットとお湯を貯めておく貯湯ユニット、床暖房などへお湯を温めて家に送るバックアップ給湯器からなります。

アイシンの「エネファームtype S」は発電効率52%の世界最高水準で、貯湯タンクを内蔵型にすることで世界最小サイズを実現しています。

types出典:アイシン

エネファームで勘違いしていること

新築で家を建てるならエネファームにしようとお考えの人の為に注意点も紹介しておきます。エネファームは確かに電気代の節約にはなりますが、初期費用が高いこと、ガス使用量が上がることは最低限知っておいて下さい。

それでも地球に優しいエネファームは素晴らしいシステムです。今後の発展は初期費用の低減にかかっているのは確かです。

売電ができるようになった

エネファームで作る電気は家庭で使用するのが目的だったので今までは売電することができませんでした。しかし最近になって、大阪ガス、東邦ガスなどがエネファームの売電を開始しています。
※「エネファームtype S」を使うこと、売電先電力会社の制限あり

一番契約者の多い東京ガスは2018年4月現在でまだ売電対応はしていません。今後の対応が待たれます。東京ガスのように売電対応していない地域の場合、エネファームと太陽光パネルを設置してダブル発電する方法もありますが、節約効果はありません。

まず、初期費用がどちらも非常に高額な点があります。初期費用を回収するのは現在の販売価格では難しいです。また、エネファームと太陽光のダブル発電で、太陽光の分は売電できますが、ダブル発電の為に売電価格は下がってしまいます。これはエネファームの発電量+太陽光の発電量で計算されてしまうためです。

実際に売電するのは太陽光パネルからの再生可能エネルギーだけなのですが、計測で上乗せされてしまうので単価が下がってしまう為です。

ガス使用量がめっちゃ上がるけど、ガス料金はそれほど上がらない

原料としてガスを使いますが、この使用量が結構上がります。特に床暖房も使っているとビックリする使用量になります。エネファームの設置を考えているなら必ずガス会社へエネファーム使用者用のガス料金プランにすることを相談しましょう。これでガス単価が大幅に下がるのでガス料金の上がりは抑えられます。

また、LPガスのお宅はガスボンベの交換が頻繁に必要になります。基本的にガス会社がガス切れにならないようにガスボンベの交換を行っていますが、冬場など他の家でもボンベ交換が多くなるのでガス切れになる可能性が高くなります。

蓄電もできるようになった

大阪ガスと京セラが共同開発した「SEH蓄電システム」は「エネファームtype S」で発電した電力を蓄電できます。この商品は2017年4月から発売開始されていて希望小売価格160万円です。