新型コロナウィルスの影響で企業、個人に発生した損失を補填してくれる対策が国から打ち出されました。対策案がコロコロ変わるのでまとめています。

正社員、パート/アルバイトの雇用形態に関わらず全ての労働者が対象になっています。通常であれば会社側から通達があると思いますが、何も連絡がない場合は自発的に動いた方がよさそうです。

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※まだ厚生労働省などから正式アナウンスされていない内容もあります。本記事は随時更新していきますが、最新の情報は厚生労働省のホームページなどをご参照願います。

最終更新日:2020/05/27

全国民対象の支援策

一律10万給付

収入半減世帯対象の30万円支給案が廃止され、所得制限なしで全国民一律10万給付になりました。

対象は赤ちゃんも含まれる全国民全員です。(4/27までにに住民基本台帳に記帳されている人)

申請の受付開始と支給開始日は各市町村役場で異なりますが、申請期間は申請開始から3ヶ月間になっています。

家賃補助

もともと失業した人を対象に「住居確保給付金」として原則3ヶ月、最長9カ月分の家賃を補助してくれる制度です。新型コロナの影響を考慮して4/20から就業中でも収入が減少して家賃を払えない人も対象になました。

お住まいの地域によって適用条件は異なります。東京23区の場合は単身世帯で収入が138,000円で53,700円上限で補助されます。資産や以前の収入額なども給付条件になります。

新型コロナ感染で働けない

自分が感染した

感染が確認されると病院、ホテル、自宅で隔離されることになります。新型コロナの治療は公費から支払われるので心配ありません。PCR検査の費用もかかりません。

次に治療のため働けない期間の給料は支払われません。(会社独自で保証制度を決めている場合を除く)有給休暇も指定感染症では使用できないのが原則です。

その治療期間の収入は健康保険から傷病手当金として平均標準報酬日額の2/3が支給されます。以前は社会保険加入者のみの適用でしたが、今回から国民健康保険の人でも支給されることになりました。

  • 社会保険加入者:会社で対応
  • 国民健康保険加入者:役所の国保年金課へ申請

また、仕事中に感染した可能性が高い場合は労災が認められる場合がありますが、認定されるまで相当な期間がかかるのが常です。

感染疑いで働けない

家族や同僚などが感染し、自分が感染疑いのため出勤停止になった場合は基本的に1/6の休業手当が支給されるのが妥当です。しかし、会社からの指示はなく自主的に休んだ場合は通常の病欠扱いとなります。

自粛要請に従って働けない

都道府県の自粛要請に従ってお店が休業する場合の休業手当は支払われる場合とそうでない場合があります。というのも、休業手当は支払う必要はないものとされています。

しかし、会社は「雇用調整助成金」という制度を利用して休業を指示した従業員の給料に当てることができます。もし会社から休業手当はないと言われたら「雇用調整助成金」を活用して欲しいと相談してみましょう。詳細は「雇用調整助成金」で解説します。

子供関連の支援策

会社勤めの親

3月2日から新型コロナウィルス感染拡大対策として全国の小中高の学校で一斉休校が開始されました。それに伴って子供を家で面倒見るために会社を休む人のための助成金が1日/8,330円です。

でも、この助成金は会社側に支払われるものです。会社が労働者に対して通常の有給休暇とは別にコロナ対策用の特別有給休暇を与えた場合に国から会社側に支払われます。労働者は通常の有給休暇と同じで1日分の賃金が会社から支払われます。

対象となる労働者は子供の面倒を見るために、その特別有給休暇を取得した人です。なので、未婚者、小中高の子供がいない人は対象外です。※保育園などで感染者が出て休園になった場合は対象になります。

正社員、パート/アルバイトなどの雇用形態は関係ありません。ただし、派遣社員は派遣元との契約になるので注意して下さい。

こちらの申請は会社が行うので、労働者側は特別有給休暇が使えるかどうかの確認だけで大丈夫です。

個人事業主の親

フリーランス、自営業者などの個人事業主は1日/4,100円が支給されます。こちらも大前提として一斉休校にともなう子供の世話が必要になった人が対象です。さらに対象となるには小学校等の臨時休業等の前に、業務委託契約等を締結していることなどの要件があります。

企業、個人を相手にしている場合は書面、メールなど何かしらの受注状況が確認できる必要があります。飲食店などの個人経営者は「業務遂行に要する日や時間等を前提とした報酬となっていること」が該当するでしょう。

児童手当1万円追加

児童手当の給付金を児童1人あたり1万円追加して支給する方針です。こちらは自動的に上乗せされるので申請の必要はありません。

児童扶養手当5万円支給

児童扶養手当はひとり親や障害のいる低所得家庭に支給されている手当で、上の児童手当とは別になります。児童扶養手当の受給世帯に一律5万円を支給、第2子以降は3万円を加算、収入が大幅に減少した世帯には別途5万円支給。申請方法は準備中。

学生支援緊急給付金

アルバイトなどができず学費を払うことが困難な学生を対象に一人10万円。住民税非課税世帯の学生は一人20万円支給。

  • 対象者:大学、大学院、短大、高等専門学校、専門学校、日本語学校に通う学生が対象で、留学生も含む。
  • 申請方法:各学校校が対象者を審査・集約した上で、日本学生支援機構から本人に支給
  • 参考サイト:「学びの継続」のための『学生支援緊急給付金』

中小企業、個人事業主の支援策

持続化給付金

前年同月の売上が50%減少していることが条件です。法人は最大200万、個人事業主は最大100万円支給されます。
※ただし、昨年1年間の売上からの減少分が上限

会社勤めで副業として個人事業をしている方も個人事業での売り上げが50%減なら対象になります。

無利子・無担保融資

借金になってしまいますが、無利子・無担保の融資制度が3月17日から開始されました。また、都道府県独自の無利子・無担保融資も開設されています。

参考サイト:日本政策金融公庫

休業協力金

こちらは都道府県毎で対応や支給金額が異なります。休業要請に従ってお店を休業にしたり時短営業した中小企業、個人事業主に対して支払われます。東京都の場合は最大100万円、埼玉は最大30万円。

参考サイト:東京都感染拡大防止協力金のご案内

雇用調整助成金

上の「感染疑いの場合」でも書きましたが、中小企業が従業員を解雇せずに雇用を継続するための助成金です。従業員1人1日8330円上限に支給されます。上限額が15,000円に拡充されました。

申請が複雑なこと、なかなか通らないことで批判が殺到し、5/11から申請方法が緩和されます。

一人当たりの平均賃金算出に源泉所得税の納付書で代用可能に。所定労働日数の算出には休業前任意の1ヶ月で算出可能になります。

  • 適用期間:令和2年4月1日~令和2年6月30日(条件緩和期間)
  • 申請期間:「支給対象期間」の末日の翌日から2か月以内
  • 申請方法:休業計画書(事後提出可能)と必要書類をハローワークに提出
  • 参考サイト:雇用調整助成金ガイドブック

検討中支援策

賃料補助

お店や事務所の賃料を補助する支援策。

中小・小規模事業者が月50万円、個人事業主が月25万円を上限に賃料の2/3を半年間給付する内容。

休業による失業手当

雇用調整助成金の申請が煩雑なため、従業員個人が申請する失業手当。本来は仕事を失った人が申請するものですが、自粛要請などで仕事ができない人を対象に含めて上限1日8,330円支給する内容

廃止になった支援策案

1世帯30万円支給

収入が一定の水準以下に減少した世帯を対象に1世帯30万円支給する支援策です。世帯主の2月以降の収入が激減して、期間中(2月~6月)に最も低い収入の月で年収を計算したときに住民税非課税(年収255万以下)の条件で支給されます。

世帯人数やコロナ騒動以前の収入なども関係してくるので、非常に分かりにくい支援策です。また、自己申請で源泉徴収票や給与明細などを用意して市町村役場へ申請します。

閣議決定されていますが、批判が殺到しているので、修正されるかもしれません。4/9現時点では市町村役場ではまだ受け入れの準備ができていません。詳細な申請方法は準備中となっています。

コロナ支援策での問題点

全国民が納得するような対策なんて無理ですが、それでももうちょっと考えて欲しいところです。今後の追加支援策に期待します。

会社次第で保証なし
会社側が特別有給休暇を与えてくれない場合も考えられます。今回の特別有給休暇は強制ではありません。例えば、日給8,330円以上の労働者を雇っている場合、不足分は会社持ちになります。会社によっては余計は支出を防ぐために、特別有給休暇は付与しないこともあり得ます。休業手当に関しても同様です。
日給4,100円では子供は養えない
個人事業主に対する支給金が1日4,100円は安過ぎると誰しも思うところです。早急に対応するため「一般労働者の8,330円の半分ぐらいでいいんじゃない?」と適当に決定されたそうです。
夜勤者は不眠不休
夜勤で働いている人は昼間、子供の面倒は見れると思われがちですが、昼間は大切な睡眠時間です。かと言って子供を放置して睡眠できるものではありません。最悪の場合、不眠不休で生活する必要になります。(私、今これです)
対応が遅すぎる
緊急事態なのに、申請方法、申請条件が複雑で申請方法すら決まっていない。また、受給できるまでの期間も正式なアナウンスがないので受給する前に終わってしまいます。
統一されていない
休業申請に従って、お店をお休みにしても都道府県によって保障されるところとされないところがある。
強制力がない
日本の法律上仕方のないことですが、保証があろうがなかろうが、自由に遊んでいる人がいる。感染は怖くても仕事しなければいけない人が辛い。
保証が足りない
本当に困っている人には焼け石に水程度の補助金

【編集後記】

新規感染者が激減してきて経済活動も徐々に再開され始めました。しかし、本当に大変なのはこれからです。数年後に「そんな事もあったね」と笑えるように今を生き抜きましょう。